近年、藻場の減少・消失が確認されています。
その原因は、様々ですが、主要な要因として次の3つが挙げられます。
藻場のうち、特に内湾域のアマモ場は5mより浅い所に生育しています。
そのため、高度成長期から現在に至るまで盛んに実施された埋め立てを伴った臨海部の開発により、アマモ群落の多くが消失してきています。
また、藻類による藻場(アラメ・カジメ場、ガラモ場、コンブ場)も、岩礁海岸への港湾施設(防波堤など)の設置や、アマモ場同様に浅海域の開発によって消失しています。
流入河川の水質悪化などの影響で、透明度が低下しています。
これにより、水中の光量が低下し、光量不足となった植物群落は消失してしまいます。
また、砂泥性のアマモ類の基質が、干潟の浸食や堆積底質の流出により失われ、結果としてアマモ場が減少・消失することもあります。
岩礁域においても、コンクリート製の消波ブロックなどの設置により底質環境が一様化してしまったことで、生育する海藻・草類の種類が単調化してしまい、
結果として多様な生物種からなる豊かな藻場が失われてしまうこともあります。
藻場には、多くの生物(動物、植物)の種が互いに影響しあって多様な空間を形成しています。
しかし、何らかの要因(水温上昇、海象の悪化、開発行為など)でこのバランスが崩れることがあります。
このことにより、藻場植物の現存量や活性が下がるとともに、藻場植物を摂餌する(食べる)動物の活動が盛んになることがあります。
この現象の顕著な一例が『磯焼け』と呼ばれる現象です。