藻場の種類 | アマモ場 | アラメ・カジメ場 (海中林) |
ホンダワラ類藻場 (ガラモ場) |
コンブ場 |
主な構成種 |
・アマモ ・コアマモ等 (大型海草) |
アラメ・カジメ類 (大型褐藻:コンブ科) |
・ノコギリモク ・オオバモク等 (大型褐藻:ホンダワラ科) |
・マコンブ ・ホソメコンブ等 (大型褐藻:コンブ科) |
日本産の種類数 | 4種類 | 5種類 | 約60種類 | 約20種類 |
藻場の景観 |
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地理的分布 |
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底質 | 砂泥域・岩礁域 | 岩礁域・転石域 | 岩礁域・転石域・礫域 | 岩礁域・転石域 |
生育水深の下限 |
一般に10m程度 (内湾では5m前後) |
一般に20m (近年は透明度の低下により浅くなりつつある) |
太平洋沿岸では一般に5〜7m、日本海沿岸では20m前後 | 一般に20m、但し対馬暖流・津軽暖流の影響域では2m前後 |
海の中は、岩場ばかりではありません。砂や泥がつもった場所も多くあります。河口の干潟や、砂浜などはその代表です。
このような干潟の干上がらない場所には、青々とした植物の草原があります。
草原は、海産種子植物(海草:ウミクサ)によってできています。
この海草の草原は、アマモ場と呼ばれます。ガラモ場と同じく、漁業にとって大切な存在とされています。
アマモの葉やそれが形作る静穏域には多様な生物が住み、多くの魚介類が産卵にも訪れます。
アマモ場は、波あたりのあまり強くない場所や、内湾に発達します。
そのため、海水汚濁の影響や開発行為によりアマモ場の消失傾向が続いています。
沖縄など珊瑚礁が発達する地域では、リュウキュウスガモ、リュウキュウアマモなどからなる海草の群落が発達しています。
アラメやカジメは、このように長い茎が立ち上がり、その上に大きな葉を付けます。
上の写真は、カジメの写真です。左奥にしわしわの葉っぱが見えますが、これはアラメです。一番手前のカジメの茎で約50cm。全体(葉の上まで)で1mくらいになります。
これらの種の群落の景色は、陸上の林に非常に似ています。そのため、海中林と呼ばれています。
アラメとカジメは、コンブ(ダシを取ったり食べたりしますね)の仲間です。
しかし、コンブのように食用にすることはほとんどありません。
アラメなどは、アワビやサザエなどの巻き貝やウニといった藻食動物の良い餌となっています。
カジメの学名は、Ecklonia cava Kjellmanです。褐藻綱コンブ目コンブ科カジメ属に分類される海藻です。
大きなしっかりとした基部(根っこの部分)から、直径1cmほどの円柱状の茎を伸ばします。
長い茎の先には、板状(ベルト状)の部分があり、そこから両脇に多くの葉を広げます。
アラメの学名は、Eisenia bicyclis (Kjellman) Setchell です。褐藻綱コンブ目コンブ科アラメ属に分類される海藻です。
カジメと同じく、大きなしっかりとした基部(根っこの部分)から、直径1cmほどの円柱状の茎を伸ばします。
その茎の上に、コンブのような葉をたくさん持ちます。大きなはたきや、ほうきを逆さまにしたようなイメージです。
カジメと違って、アラメは茎の先が二股に分かれています。
ガラモ場とも呼ばれるこのジャングルは、魚介類の産卵場であり、孵化(ふか)した稚魚の隠れ場やエサ場として大変重要な場です。
ホンダワラ類も太陽光を吸収して光合成により生長する植物であるので、光が届く海底でないと生育できません。このジャングルは、水深10mあたりまでの分布となります。
また、ガラモ場は、河川等から流入する排水で汚れやすい沿岸域を浄化する役割も持っています。
ホンダワラの葉上や藻体の間には、様々な生物が生活しています。
これら、微生物、プランクトンから魚類へと至る食物連鎖(食う食われるの関係)により、海水中の有機物が分解され、光合成や摂餌によって吸収されることになります。
左の写真は、神奈川県三浦半島南部の海岸で2001年6月に見られたヒジキの群落です。
最大の高さ(長さ)は、1.8mありました。